アンタなんか 好きじゃない。
アンタなんか 何とも思ってない。

キサマなんか 好きなところを探す方が困難だ。
キサマなんか 早く消えてしまえばいい。









ほんとうに?



ほんとうに、そうおもっているのかい?





『認めてなんか やらない』





「っ………ソニック、キサマという奴は…ッ…!!」

シャドウの周囲が赤く染まる。凝縮された力は、そのまま形となって頭上に現れた。
神々しいまでの黄金を纏ったそれは、真っ直ぐに怒りの標的へと向かっていく。

「うるせぇ!!小言ばっかり言いやがって!!
お堅いのはその頭だけにしやがれ!!」

光の矢をその自慢の俊足で軽々と避けながら、ソニックは宙に飛び上がる。
くるりと空中で体勢を整え、空気をその自慢の脚で蹴り上げる。
音速に押し出された大気は、真空の刃と変容しあらゆるものを切り裂いた。

「なっ…その下卑た言い草を何とかしようとは思わないのか…!」
「ハッ、いっつもお澄まししたままで頭の中はっ…てのよりは絶対マシだね!!」
「キサマ…言わせておけば…!!」

己の力で飛ばされてきたそれを相殺しながら、高ぶった感情のままシャドウが吼える。
箍の外れた心は、シャドウの怒りを増幅させていく。普段金にも輝く紅の瞳は、燃えるような紅玉へと変わっていた。

「なんだ?本当の事だろうが このムッツリ!」

着地したそのままの脚で大地を蹴る。ピストルの弾のようにシャドウに向かって来る青い弾丸を、そのまま両の手を伸ばし押し留めた。
回転の掛かったボールは、どれだけ地に付く足に力を込めても、じりじりと後退させられていく。 渾身の思いで跳ね返そうとした、刹那。








大地を切り裂く 轟音。








「ソニック!シャドウ!!大変だよ!!またエッグマンが!!」

黄金色の幼い狐が、全速力で走ってくる。
背後からやってくるは、機械の群れ。

ぴたりと、青の回転が止まる。
呆れたような表情と、好戦的に輝く瞳。

「まーたか。懲りないよなぁ」
「…少し、灸を据えなければならないようだな…」



ふ、と視線がかち合う。
瞬間、風が走り抜けた。

























悔しいけれど。

アイツ
   以上に解る相手も いないんだ。
キサマ



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